
実際のところ、その建物は樹海の奥深くにあった。
上空から丸見えだったが、父の作り上げたカモフラージュシステムが動作しているらしく、通常は認識できない”結界”が張られているそうだ。
このヴィークル自体がその結界内にいるのでラボが見えているらしい。
それにしても、そこ自体が到達することが困難な場所にも関わらず、ご丁寧に迷路が作られていた。
垂直離着陸可能な飛行機のみが発着するポートがあるのだが、そこから建物まで迷路を通過しないと行けないという話だ。
迷路。
おそらく迷路を通過する、という事に何らかの意味があるのだろう。